くまもと戦争遺跡・文化遺産ネットワーク
戦争遺産フォーラムくまもと
砲弾型貯金箱
愛国貯金の文字と星マークと旗
防諜三猿貯金箱
つなぎ服を着た三匹の猿。前列の猿の胸に防と諜の字入り
米英撃滅たぬき貯金箱
ねじり鉢巻き姿の狸。手に日の丸と米英撃滅の旗
慰問袋 守吉佐光作品
作品解説
慰問袋は兵隊さんにとって、元気の泉、心の糧であります。此れを開く時ほど愉快なことはないのです。わけても、無邪気なお子さん方から送られた、片かな混じりの慰問文を読むのは、天使の福音を聞く如く、疲れも苦労も忘れ果てていると申します。その慰問文を認めている、このお人形さんの胸の中は、一日も早く、戦地へ届けたい心で一杯であるし、また戦地の兵隊さんたちは、千秋の思いで待っていることでしょう。このお人形を、慰問袋に入れて、送ってあげたら、兵隊さんが、どんなにどんなにお喜びになることでありましょう。
※手紙を書く人形、武運長久と書かれた虎と慰問袋の三点が箱に納められているが、壊れやすい品物である。室内に飾るにはいいが、重装備して行軍する多くの兵士達にとっては、この人形を送られても、無用の長物になるのではないだろうか。伏見人形は、京都の伏見市でつくられる土人形で、江戸期には京土産として売られていた。
①電気スタンド ②貯金箱
銃剣を手に、警戒・監視の任務にあたる歩哨兵に軍用犬のシェパードが随伴している。
歩哨兵や軍用犬は、一緒又は個別に、貯金箱や着物のデザインや本・玩具などに使用され、戦時下の人々がよく目にしたものである。日本では、第一次大戦の軍用犬活躍に注目が集まり、軍用犬研究が開始された。第一次大戦時、ドイツの軍用犬シェパードを手に入れたことで、シェパードが主軸となる。日本軍の軍用犬が最も活躍したのは満州事変の時で、主に、中国戦線で使われる。
※満州事変時の軍用犬金剛と那智の話が、当時の絵本キンダーブック昭和14年発行「イヌノハナシ」に掲載されている。二匹の犬は、兵隊さんの真っ先にたって敵の陣地を襲い、敵兵の軍服を加えたまま戦死し、立派な勲章をいただいた。このような金剛・那智の話は、小学校の国定教科書「小学国語読本巻五」に載り、軍国主義教育が行われた。