くまもと戦争遺跡・文化遺産ネットワーク
調査・保存活動
本会は平成17年6月に発足し、10年を経過しました。
その間、会の本旨は平和への思いであり、悲惨な戦争を回避するには歴史の真実を明らかにし、 記録し伝承しなければならないという使命感ともいうべきものでした。
わたくしどもネットワークでは 「大刀洗陸軍飛行学校玉名教育隊跡(通称:大浜飛行場)」 「東京第二陸軍造兵廠荒尾製造所跡(通称:荒尾二造)」 の調査・研究を手始めに、30数回の検証・発表の例会を重ねてまいりました。
地域に根ざした地元の有明中学校総合学習支援「出前平和講座」、 「四式基本練習機の模型機製作・実演(飛行)のユングマンプロジェクト」地域啓発のための 『大浜飛行場リーフレット』発刊などを進めてきました。
「いま、熊本の戦争遺跡・遺産を未来につたえる」の開催、全国初となる「旧日本海軍最後の艦上攻撃機”流星”風防展示」と 大村海軍航空廠への「高瀬高女挺身隊動員の証言を聞く会」の開催、さらには県内航空遺産に焦点をあてた 『熊本の航空遺産と艦上攻撃機”流星”』リーフレット発刊と、熊本県内へと広がった活動に合わせ、県下の埋もれた 歴史にスポットをあててきました。
今後は戦後70年の節目の年となり、戦争体験者の証言を聞く機会は急速に失われようとしています。今に生きる私たちは、それを正確に記録し、 残された戦争遺跡にその証言を重ね『戦争遺産』として保存に努め、未来に伝えていきたいと思っています。
(平成27年9月「くまもと戦争遺産ガイドマップ」発刊に寄せて)